ショップリード文

台湾で買った植物を持ち帰るには
 
 法令に沿って正しい処理をすれば、誰にでも植物輸入は可能です。
 難しくない?難しくありません。

 但し、あなたのちょっとした不注意・ルール無視が明日の日本の生物環境を壊すこと
 にも繫がりかねません。
 また、台湾からマンゴーの生果実を恣意的に持ち込んだ者が懲役を受けたり、
 生きたロブスターを過失で調理場から下水に流してしまった飲食店が数千万の捕獲費用
 を請求された事件等に見られるように、法令違反は刑事・民事に亘ってあなたに重大な
 リスクを生じさせます。

 楽しかった台湾の思い出と気に入った植物を守るためにも法令を遵守しましょう。

1.基本情報
  日本へ台湾から植物苗を輸入(ハンドキャリー・EMS)する際には、事前にその植物
  が日本において輸入許可されているのかを確認しておきましょう。
  植物防疫所 輸入条件に関するデータベース
  詳細は所管の「植物防疫所」にお尋ねください。

2.渡航前の事前準備
(1)梱包資材の準備
   長尺のビニール袋  ごぼう出荷用の高1M・幅20cm程度のものが望ましい。
             空気を吹込みチューブ状にしてその中に苗を入れ、苗を
             圧迫積重から守る。
   ハンディーラップ  根巻をするのに使用する。
   ケース(箱)    再使用の段ボール箱は貰えるが、降雨・苗袋からの水漏れ等
             で箱を毀損する場合が少なくないので、扁平長尺のプラ
             ケース(交通の移動を考えると尺は90cm以内)を持参
             することが望ましい。
   ハンドキャリー   暑い中、重い荷物の移動は苦しいので、箱を運べるキャリー
             を持参することを勧める。

(2)帰国日の空港での検疫の事前申請
   旅程が決まったら、5〜7日前に帰りの空港で受ける検疫の事前申請を空港の植物
   防疫所にしましょう。
  ア)植物、輸入禁止品等輸入検査申請書(イ)の作成
   説明書に準拠して作成してください。
   「備考」欄に入国後の受検希望時間を記載してください。
  イ)上記を管轄の支所にFAXする。
   原本は受検時に必要ですから、パスポートと一緒に持っていってください。
   
   何を買うか決まっていない・苗が買えるかどうかわからない場合でも、受検申請
   しそうなものを列挙して申請してください。
   (帰国時の追加・除外は問題ありません。)
      
3.検疫受検のための苗の処理
(1)整枝
   本来は、葉を全切除することが望ましいが、病葉・虫食いは必ず切除する。
   葉裏・枝又・根際に虫がいる場合があるので注意する。
   葉もきれいに洗う。
(2)洗根
   台湾では灰色の粘土質の土を使用している場合が多い。
   汚れが残らないよう、注意して洗う。
   歯ブラシは有用だが根の表皮を痛める場合があるので注意。
   殺菌剤は少量でも手荷物・機内ともに持ち込み不可なので、使用する場合には
   現地で入手するようにする。
(3)根巻
   使用部材はミズゴケ。田尾では入手容易だが、その他地方では入手困難な場合が
   あるので事前準備する。
   ピートモスはイエローピートを使用する、ブラックピートは土と区別ができない
   ので日本の検疫官によっては不合格とされる場合があるので使用しない。
   ブラックピート・ミックスソイルは台湾で入手可能だが、イエローピートは
   見かけない。
   ココピート・ココファイバーはOKだが、ココ製品自体に細菌と塩分の問題が多く
   お勧めしない。
   高吸水性ポリマーは粒状のものはGOODだが、重量が嵩むのと高温で漏水する。
   液状のものは根をミズゴケで覆う前に湿潤させると良い。
   根をカバー材で覆ったら、ハンディーラップで根巻する。
   乾燥防止のため苗全体をラップで覆っても良い。
(4)梱包
   息で膨らませたビニール袋に苗を入れる。
   台湾の検疫署で開封するので、ビニール袋の口は軽く結ぶ。
   箱に隙間がある場合には、空のビニール袋を膨らませて隙間なくクッション性
   を持たせて詰める。
   ビニール袋は破損することがあるので多めに用意する。

4.台湾の植物検疫所
(1)
台中分局
   「台中市國光路250號」と書いたメモを見せてタクシーで行く、台中駅から15分。
   08:30〜17:30
   検疫カウンターは入って左すぐ。


(2)台南
   台南駅からタクシー、10分。
   検疫カウンターは4階、階段(エレベーターなし、荷物は1階入り口に置いて
   おく)正面。
   08:30〜12:30、13:30〜17;30


   ほかに台北の本局、高雄分局、高雄機場檢疫站等があります。

(3)桃園空港内の検疫所
   
第2ターミナル(第1にもあるのですが検疫官が常在していない)の1階入境出口
   の右通路左壁。
   各空港共通ですが、空港での植物検疫は10KGMまでです。
   苗が少数の場合には空港で検疫を受けるのもOKですが、1時間ほど余裕をもって
   ください。


5.台湾での検疫申請
(1)検疫所に入ったら
   検疫カウンターに下記のものを提出する。
    ア)「我是日本人的旅客。
      我想帶回到日本植物。
              拜託您我要植物的檢疫。」と書いたメモ
    イ)パスポート
    ウ)輸出入動植物及其?品檢疫申請書
       エ)苗購入時の領収書
  オ)帰りのエアチケット


2)輸出入動植物及其産品檢疫申請書の作成
   このページから「輸出入動植物及其産品檢疫申請書」をダウンロードしてください。
  1行目 申請日期及時間     申請日を記入
  3行目 身分註記       個人にチェック
  4行目 申請人        パスポートと同一に記載、右にパスポートNoを記入
  5行目 申請人地址及電話    台湾のホテル住所を記入、電話番号は空港でSIM
                 を入れ替えていたら個人の番号を、台湾の電話番号
                 を持っていなければホテルの電話番号を記入
  6行目 收貨(件)人及地址    自分の名前、日本の住所を記入
  7行目 貨物名稱       「PLANTS」と記入
  8行目 總申報數量       苗の本数を記入
       總淨重(KGM)               重量を記入
  9行目   植物學名                     「ON LIST]と記入
       ?裝數量(單位)     箱の数を記入
  10行目 生?國別        「TAIWAN]と記入
       目的地國家                   「JAPAN]と記入
  14行目 運輸方式                      「郵包」または「携帯」に方法に従ってチェック
  19行目 離岸價格F. O. B              購入代金額を記入、TW$にチェック
                  台湾では領収書を出さない場合も多いが、INVOICE
                  として使用するので貰っておいたほうが良い
                  領収書がないものは別な領収書でもよいので書き
                                                   加えておく
  別紙 貨品明細(Detail)
  報單項次-貨品分類號列( C. C. C. Code)品名或品種(Kind/Breed)
                  学名を記入
  數量及單位           苗の本数を記入
  淨重(KGM)             種類ごとの重量を記入
  植物學名            学名を記入
  
(3)苗の検査
   貨品明細に従って種類ごとに苗を箱から取り出し並べておきます。
   検査後に航空輸送に耐えられるようにしっかり再梱包します。
   
(4)検疫証明書の受領
   ORIGINALとCOPYを渡されます。
   ORIGINALはエアのチェックインの際に開示を要求される場合があります。
   また、日本の空港での検疫に際し必要ですから大事に保管します。
   EMSで郵送する場合には、ORIGINALをビニール袋に入れ箱の上面に貼り付ける。
   郵便局でEMSの伝票を記入し、郵便窓口に出せばOKです。

   以上まで、通常20分〜1時間程度です。

6.日本での検疫受検
  空港に着いたら検疫カウンターに行きます。
  箱と台湾の検疫証明書を提出します。
  事前に、「植物、輸入禁止品等輸入検査申請書」をFAXしていた際にはその旨
  (内容に異動があった場合にはその旨を)を検疫官に伝え原本を提出します。
  通常なら、50本の検査は20分程で終了し、検疫済の印が箱に押されます。
  
  18年10月1日より、植物検疫がより厳格になり、相手国の検疫証明書がないものは
  日本への持ち込みはできなくなりました。